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休んでも疲れが取れない原因は「部屋の物の多さ」だった【脳疲労と視覚ストレスの関係】

物が少ないメリット
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「しっかり寝ているのに疲れが取れない」

「休日に家でゆっくりしているのに、なぜかだるさが残る」

そんな状態が続いているなら、原因は毎日過ごしている部屋の「物の多さ」かもしれません。食事・睡眠・運動を見直しても疲れが取れない場合、見落とされがちなのが部屋の環境です。

この記事では、物が多い空間がなぜ疲れを生むのか、脳科学・心理学の研究をもとにわかりやすく解説します。

私自身の体験談

以前、私は常に疲れがある状態でした。

「疲れを取ろう」と、睡眠時間を意識的に増やしてみたり、湯船に浸かったり、マッサージに行ったり。一時的に少し楽になることはあっても、またすぐに疲れを感じる。その繰り返しでした。

当時は「忙しいから仕方ない、どうしようもない」と思っていました。疲れているのは自分が弱いのかと感じたこともあります。

でも、物を減らしてしばらく経った頃、ふと気づいたことがありました。

「最近、わざわざ睡眠時間を増やしたり、湯船に浸かったり、マッサージに行ったりすることが減った気がする。でも、そんなに疲れがたまっていない。」

「疲れを取ろうと頑張ること」をしなくなっていたのに、疲れが取れている。そのことに気づいたとき、最初は理由がわかりませんでした。その後いろいろと調べていくうちに、「部屋の物の量」と「疲れやすさ」の間に、科学的な関係があることを知り、納得しました。

休んでも疲れが取れない人が見落としていること

疲れが取れないとき、多くの人はこんな対策を試みます。

  • もっとよく寝る
  • 栄養のある食事やサプリメントをとる
  • マッサージや入浴でほぐす
  • 運動不足を解消する

どれも大切なことです。しかし、それでも改善しない場合、「回復できない環境で休んでいる」可能性があります。

家に帰っても、部屋にいても、「脳が働き続けている状態」になっているかもしれません。

なぜ物が多いと、家にいるのに疲れるのか?

①物を見るだけで脳が消耗している

目に入るものはすべて、脳が無意識に処理しています。

床に置かれた荷物、棚に並んだ使っていない物、開封していない段ボール――これらが視界に入るたびに、脳は刺激を受け続けます。

人間が五感から受け取る情報のうち、約80〜83%は視覚からとされており、脳の神経回路の約7割が視覚情報の処理に使われているとも言われています。

つまり、「部屋にある見える物の量が、そのまま脳への負荷に直結している」のです。

これが「視覚ストレス」と呼ばれるもの。休んでいるつもりでも脳疲労が蓄積し続ける、大きな原因のひとつです。

プリンストン大学神経科学研究所(2011年)の研究では、無秩序な環境が常に視界に入り続けると、脳の認知リソースが枯渇し、集中力の低下や疲労感が引き起こされると報告されています。

②「やらなきゃ」が脳のメモリを占有し続ける

物を見るたびに、頭の片隅でこんな声が聞こえていませんか?

  • 「そろそろ片付けなきゃ」
  • 「いつか使うかもしれないけど…」
  • 「そういえばあれ、どこにしまったっけ」

この「未処理のタスク」が頭に残り続けることで、脳は休んでいる間もメモリを消費し続けます。家にいるのに気が休まらないのは、このためです。

「散らかっていても平気」と感じていても、脳は無意識にプレッシャーを受け続けているという研究結果があります。自覚がないだけに、気づかないうちに疲れがたまっていきます。

③ストレスホルモンが高止まりし、回復力が落ちる

物が多いと、どれだけ気をつけていても自然と散らかりやすくなります。収納には限界があり、使うたびに出し入れする物が増えるほど、置きっぱなしになりやすいからです。そして「散らかった環境」が疲れに与える影響は、研究でも明らかになっています。

2010年、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究チームが32組の共働き家庭を調査しました。

その結果、散らかった家で生活している人は、一日を通してコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが高いままであることが判明。整理された環境では時間の経過とともにコルチゾール値が自然に低下するのに対し、散らかった環境ではその低下が妨げられていました。

コルチゾールが慢性的に高い状態が続くと、睡眠の質が悪化し、免疫力が低下し、疲れが取れにくい体になります。

マッサージや入浴で一時的にほぐれても、同じ部屋に戻ればまたコルチゾールが上昇する。これが「疲れが取れないループ」の正体です。

「片付ける」より「物を減らす」が根本解決になる理由

「物が多くても、きちんと片付いていれば問題ないのでは?」

そう思う方もいるかもしれません。でも、ここに落とし穴があります。

物の量が多いほど、散らかりやすい。
使うたびに「出す・戻す」の手間が増え、収納スペースにも限界があるので、気がつくと床や棚に置きっぱなしになりやすい。物が多い状態そのものが、散らかりやすい環境をつくっているのです。

片付いた状態を「維持すること」自体が疲れを生む。
頑張って片付けても、物の量が多いまま。「少し気を抜くとすぐ散らかる」というストレスの積み重ねが、じわじわと疲れを生みます。

物を減らすと、維持する労力ごとなくなる。
片付けは「物をしまう」こと――物の量は変わらないので、またすぐ散らかります。一方、物を減らすのは「物の量自体を減らす」こと。視界に入る情報が根本から減り、維持する手間も減り、「片付けなきゃ」というプレッシャーそのものがなくなります。

疲れが取れない状態が続いているなら、収納を工夫したり片付けを頑張ったりするより先に、まず物の量を見直すことが近道です。

今日から始められる、小さな一歩

大がかりな作業は必要ありません。まずはこの3つだけ試してみてください。

  1. 寝る場所の周りにある物を、視界から除けてみる 寝室は最も長く過ごす回復の場所。まずここだけ物を減らすだけでも変わります。
  2. 今日使わなかった物を、1つだけ手放す 「これ、本当に必要?」を1つだけ自分に問いかけてみるところから。
  3. しばらく使っていない物を、1つだけ箱にまとめてみる すぐに手放せなくても、視界から消すだけでも脳への刺激は減ります。

物を1つ減らすだけでも、脳への視覚刺激は確実に減ります。完璧にやろうとしなくていい。今日できる小さな一歩が、疲れにくい体と部屋をつくる第一歩になります。

よくある質問

Q. 片付けが苦手なのですが、どうすればいいですか?

A. 片付けが苦手かどうかは関係ないのでご安心ください。私自身も実は片付けは苦手です。まず「物を1つ手放す」だけで大丈夫です。片付けスキルを上げるより、そもそもの物の量を減らすほうが効果的です。物が減れば、自然と片付けへの苦手意識も薄くなっていきます。

Q. どこから手をつければいいですか?

A. 自分が一番取り組みやすいと思える場所からがおすすめです。ただ、疲れへの効果を感じやすいのは寝室やリビングなど、長い時間を過ごす場所です。私が個人的におすすめする場所はこちらの記事で紹介しています。

Q. 忙しくて物を減らす時間が取れません

A. 無理に時間を確保する必要はありません。歯磨き中に洗面台の物を1つ確認する、調理中にしばらく使っていない食器を1つ選ぶ、など「ながら」で少しずつ取り組むだけで十分です。

まとめ

物の多さと疲れの関係性について表にまとめるとこのようになります。

原因メカニズム
視覚ストレス物が多いと脳が無意識に情報処理を続け、疲労が蓄積する
認知負荷「やらなきゃ」という未処理タスクが脳のメモリを占有し続ける
コルチゾール高止まり物が多い環境ではストレスホルモンが下がらず、回復力が落ちる

解決策は、片付けを頑張ることではなく、物を減らすこと。

物が減れば散らかりにくくなり、維持する労力もなくなり、脳への負荷もストレスホルモンへの影響も、根本から変わっていきます。

私自身、物を減らしてから「疲れを取ろうと頑張ること」自体が必要なくなりました。それくらい、部屋の環境は体と心の回復力に影響しています。

休んでも疲れが取れないのは「気の持ちよう」の話ではなく、部屋に原因があると複数の研究が示しています。もしあなたが「休んでも疲れが取れない」と感じているなら、まず部屋の物の量に目を向けてみてください。

参考

  • 産業教育機器システム便覧(教育機器編集委員会編、日科技連出版社、1972)―五感による知覚割合
  • 茂木健一郎「脳の神経回路の約7割が視覚情報処理に使われる」― Pen Online(2021年)
  • Princeton University Neuroscience Institute「Interactions of Top-Down and Bottom-Up Mechanisms in Human Visual Cortex」Journal of Neuroscience, 2011
  • UCLA Center on Everyday Lives of Families「No place like home: home tours correlate with daily patterns of mood and cortisol」Personality and Social Psychology Bulletin, 2010

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